
『海とのふれあい』
海事補佐人横山信夫
関東小型船安全協会講師
21世紀が間もなくやって来ようとしています。こんなハイテク時代になっても、どうして昔ながらの原因で起こる忌まわしい海難事故が絶えないのでしょうか。今年の1月2日島根県隠岐諸島沖で船体が折れて沈没したロシアの油槽船ナホトカは13,157トンで船齢26年北西20mの強い季節風の中で、波高6mの大波の衝撃に耐えられなかったのだろうと言われています。積んでいた重油が流出して冬の季節風や対馬海流に流され日本海沿岸に大変な社会不安を引き起こしています。海に関わる皆さんにとっても人ごとではありません。よく言われる事ですが海難は「人」「物」「環境」の相互バランスが崩れた時に発生します。人に就いては資格、運航技量、定員、危機管理等の面から、物に関しては船の構造とか設備とか船の運動性能とか言ったハードの面から、そして環境には船を取巻くその時の気象、海象に対する正しい対応と言った夫々の面が一つでも欠落すると操船を誤り海難に直結してしまうと言う事であります。皆さんの海とのふれあいは海と言う自然に調和し、あくまでも楽しく且つ安全第一でなくてはなりません。そこで今回は皆さんが海に出て直面する潮流や海流、風浪、気象に就いて皆さんが「知っておられると良いナ」と思われる事項を箇条書き形式で出来るだけ簡単に纏めて見ました。ご参考になれば幸です。
1. 思い起こそう海に出る前にもう一度!
?海の上では誰にも頼れない。自律と決断
?海は陸とは全く違った環境
?海では環境(気象、海象)の変化が急激
?海では補給、修理、救助何一つとっても陸に比べて困難
?海に道路、信号、標識無し。良き航海計画と海上交通法規の熟達
2. 海水の流れ
?沿岸部では潮流、大洋では海流潮流は岸に近い程遠い。
?海流のエネルギーの基は風と海水の密度差(水温、塩分)。
?潮流のエネルギーの基は月、太陽の引力と遠心力。
?潮流や海流の流向(方向)は流れていく方向を言う。
?潮流は潮の千満に因る海水の水平方向の流れ、海流は赤道付近の貿易風(北東)で西方皮
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